はじめに
むしろごきげんよう。
負傷者です。
手をやや故障したので、その模様をお届けします。
いきさつ
ブルクミュラーの2ndステージ、「アラベスク」を練習していました。
「16分音符の鬼畜5連」「キレを要求するスタッカート」が怒涛の勢いで襲い掛かってくる難曲です。
指の独立性がないと、それはもうズタズタになる残虐なステージであります。
youtubeで上手い演奏を一通り聞いていたので、耳だけはやたら肥えていました。
もしキッズの頃だったら、「転びまくりながら、スピードだけ一丁前に出してドヤるラフプレー」で満足していましたが、大人になって始めた私はそうもいきません。
そのため、粒がそろわない己の演奏にガマンならず、思い通りの音が出ないことにイラついていました。
色んな指の動かし方を試しまくるも、これといったものは見つからず、納得感を求めて毎日3~4時間ピアノに挑み続ける――
気づけば、鍵盤ヤクザになっていました。
鍵盤ヤクザ 末路
手を壊しました。
現れた症状はこちらです。
手 症状 一覧
・右手小指、および左手小指・薬指にばね指
・右手小指を強く叩きつけたことによる突き指
・親指の付け根に痛み
・手首の違和感
・肘の痛み
ご覧の通り。
主に前腕部から指にかけて、多種多様なエラーが発生しました。
~なぜ故障したのか~ 考察
故障理由を分析していきます。
発表します。
故障理由 分析 結果
指の独立性がまだ足りないのに、完璧を急ぎすぎた
手がまだピアノ仕様に仕上がってないのに、焦って完璧な音を追い求める悪手。
身体が慣れていないランニング初心者が、イキって膝を壊すのと同義。
指の独立性はそうそうすぐに身につくものではなく、長期戦となる。
「今はまだ完璧には弾けねェ」という事実を受け入れる覚悟が必要だった。
ぶっ続けで練習
ハイになり、気づけば数時間ぶっ続けで弾き続ける凶暴性が仇となった。
こまめに休憩を挟み、集中的な練習を数回に分けて行うべきだった。
右手小指が最高音を担当する問題
右手小指がいちばん右にあるので、最も高い音を弾くことになる。
基本、音階が上がるごとにクレッシェンド(だんだん強く)なので、5本の中で最弱の小指が、パワーの欲しい最高音を担当するという手の構造に問題がある。
体の使い方が下手
最小限の力で効率よく身体を使えば、たくさん練習してもそれほど疲れも痛みもないらしい。
痛みが現れる時点で、無駄な力みや非効率な動きがふんだんに含まれており、まだ甘い。
スマホを片手で持ちすぎ
スマホを片手だけで持ち、底を薬指と小指で支える持ち方がクセとなっていた。
気づかなかっただけで、ばね指の症状は元々あったかもしれん。
ブルクミュラーの配置ミス
こんなキレとスピードが求められる難曲を、2曲目に配置するというステージの設計ミスの可能性。
そもそも難易度順に並んでいるのかも明記されておらず、モヤモヤした疑問が残る。
エア・ピアノのやりすぎ
他人の壮大な演奏を聴きながら、己が弾いている設定で、エアーでピアノをかき鳴らす至高の遊び。
名ピアニスト気分が味わえるが、ついつい気が乗って動きが大きくなり、終わった後に毎回手首や肘が悲鳴を上げていた。
ご覧の通り。
総評すると、ブルクミュラーのせいとなります。
~治療~ 病院へ
血気盛んなヤングであれば、「この痛みも練習の証、必要な犠牲」と、余計火がついて暴走していた可能性があります。
しかし、これまでの経験から
「己の不調を無視して、根性論で無茶し続けるのはカス」
「故障しきってしまうと、治療時間も病院代も高くつく」
「結局、病院に行ってクスリ貰えばいい」
「違和感を放置して不安を抱え続けるくらいなら、とっとと病院に行く方が安上がり」
だと知っています。
違和感に気づいたその日に、近所の整形外科に駆け込むファイン・プレー。
重度ではなかったので、とりあえず炎症止めの塗り薬を塗って、安静にする保存療法で様子を見ることになりました。
その後
練習したいのにできないストレスは格別の味わいでしたが、無理してもしょうがないので極力安静にしていました。
負担のないゆっくりとした練習を5分~10分くらいやって、すぐ休憩。
それらを時間を空けて、3セットほどやるに留めました。
日ごろ、いかに身体を非効率に動かし、手首やひじに負担をかけていたかを痛感しました。
掃除機をかけるとき、料理するとき、歯を磨くとき――日常の行いも、必要ない箇所は脱力し、体幹に近い部分の筋肉を動かすと格段にラクであることに気づきました。
現在、ばね指の症状はまだ少し残っていますが、右手小指の突き指と、手首やひじの痛みはかなりマシになっています。
ばね指の方は引き続き塗り薬による治療を行い、治らんかったら注射打ちます。
おわり
おわりです。